研究概要 |
Ω⊂R^N(N≧2)を有界領域とする。非線形項fが漸近的線形な場合に、楕円型方程式(*)-d^2△u+u=f(u)inΩをDirichlet条件の下で考え、その符号変化解の解の個数の下からの評価についての結果を得た。昨年、一昨年にfが優線形の場合を議論したが、優線形の場合と異なり、十分小さいd>0ならば(*)は必ず符号変化解を持つとまでは示すことができず、f(t)/μのt→士∞での極限値をf_±と置いたとき、(f_+-1,f_-1)がH^1_0(Ω/d上の-△のFucikスペクトラムではないという仮定をつけて、符号変化解の解の個数の評価を与えた。また、全空間や半空間では、一△のFucikスペクトラムは存在しないということを示し、問題(*)に付随する汎関数のPalais-Smale列の有界性を導いた。また、有界領域Ω⊂R^N(N≧3)において、Dirichlet条件下での楕円型方程式(**)-△U=|u|^<4/(N-2)>uinΩについての研究を行った。Ωが星型領域だと、(**)は非自明解を持たないことが知られている。すごく小さなボール状の穴がΩにあいている場合に、Coronが正値解の存在を得ており、最近Clapp-Wethがもう1つ解が存在することを示した。彼らの結果はΩのトポロジーが非自明であることを使っている。ところで、Ωに細長い穴があいてΩが可縮になっている場合、Dancer,Ding,Passaseoらにより正値解の存在が得られていたが、本研究でもう1つ解が存在することを示した。証明には写像度の理論を適用した。
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