研究課題/領域番号 |
21540214
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
塩路 直樹 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (50215943)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 解析学 / 関数方程式論 / 関数解析学 |
研究概要 |
Henon方程式の指数が大きくなっていくとき、正値解の個数が多くなっていくという結果を得た。外径と内径の差が一定のアニュラスにおいて、内径が大きくなっていくとき、Emden方程式の正値解の個数が多くなっていくという結果は得られている。Henon方程式でもある意味似たような結果が成り立つことを示したことになる。外径と内径の差が一定のアニュラスにおいては、内径の大きさによらずに、一様にポアンカレの不等式が成り立つことや、極限方程式が指数減衰するという扱いやすい性質を持っていたが、Henon方程式ではこのような性質はない。そのため、外径と内径の差が一定のアニュラスにおけるEmden方程式で適用できた方法がそのままでは適用できない。本研究では、グリーン関数を用いて近似解の評価を行い、近似解が真の解であることを示すことにより、難点を克服した。 常微分方程式の正値解の一意性についての結果を得た。係数関数の条件を定めることによって、これまでの結果では、正値解の一意性がはっきりとわからなかった方程式に対しても一意性を示すことができた。証明は、Pohozaevの等式を一般化することによる。正値解の一意性についての結果は色々とあり、それぞれに特徴があるが、Pohozaevの等式だけを用いて一意性を得ているものはほとんどない。ここではPohozaevの等式を用いることのみによる非常に明解な一意性の証明を与えることができた。応用として、球面上のキャップにおけるBrezis-Nirenberg問題の正値解の一意性や、調和ポテンシャルを持つ非線形シュレディンガーの正値解の一意性、Haraux-Weissler方程式の正値球対称解の一意性についての結果を得た。また、非線形項の巾が臨界指数の場合の調和ポテンシャルを持つ非線形シュレディンガーの正値解の非存在についての結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Henon方程式については目標通りの結果が得られた。球面上のキャップにおけるEmden方程式については、優臨界の場合は扱えなかったが、Brezis-Nirenberg問題に拡張して、臨界及び劣臨界の場合に正値解の一意性を導くことができる形で、かなり一般的な常微分方程式の正値解の一意性についての結果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調であるので、これまでと同じように研究を進める。研究成果の発表や情報収集のための旅費の支出が、主な予算の使い道である。数学の研究なので、基本的には、研究課題について、日々考えるしかない。もちろん、論文を読んだり、他の研究者とディスカッションをしたりということをやっていく。
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