本研究の研究者により開発された無限次元のStability Indexの理論の具体的な応用の対象の候補となる、無限帯状領域で定義された反応拡散系の断面方向に非一様な進行波解が見つかり、実際に適用できるかどうかの研究が進んでいるところである。 無限次元系のコンパクト性に関連する上記以外の研究として、素子数有限の蔵元モデルが、実は一般に無限次元系であることが分かり、それが有限次元性を保つ様な特別な場合が、一般の場合とどのように異なるかに関する考察を行い、一定の成果が得られた。 無限次元力学系の局所分岐理論において、既に確立された手法が必ずしも有効ではない、或はその実行が容易ではないような問題の幾つかの具体例に対して、その問題の持つ幾何学的な特徴を用いて、具体的な分岐構造を、幾何学的な議論により明らかにした。 更にそのような具体例の解析を通じて、本研究の一つの目標である、系の幾何学的な構造に基づいた新しい分岐理論の構築へ向けての洞察を深めることができた。 この方向では上記以外にも、分岐構造の研究の中で超臨界分岐の亜臨界分岐化の問題が検討され、局所的な制御により平衡点の安定性を高めた場合には、必然的に超臨界分岐が亜臨界分岐に変化せざるを得ないことが明らかになった。 これらの成果は、一部は論文として発表し、その他は学会セミナー等で口頭によって公表している。
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