1)病理モデルとその離散化方程式に対するパーマネンスや大域漸近安定性について: (1)Bilinear incidence rateで遅れをを持つSIRSモデルのLyapunov関数法による大域漸近安定条件を求める新しい手法を開発した。これは、最近の遅れを持つSIRモデルを完全解決したC.C.McCluskeyの方法を拡張した画期的なものである([1])。 (2)SIRSモデルに単調法を応用し、上記のLyapunov関数法とは本質的に異なる大域漸近安定条件を求めた([5])。また、その手法を具体的な問題に応用し、大域安定条件を大幅に拡張し、open questionの根拠となった例の大域漸近安定条件を証明した([7])。 一方、open questionとして残っていた、病気が原因での死亡率を持つSISモデルに対する漸近安定条件を、各基本の人口モデルに応じた単調法を適用することで、具体的に求め、条件を改良した([2]) (3)C.C.McCluskeyのLyapunov関数の方法を広いクラスのnonlinear incidence ratesを持つSIR病理モデルに拡張した([9])。 (4)病理モデルの離散化方程式に対する、パーマネンス条件の本質を調べた。また、特別な場合として、大域漸近安定となる条件を具体的に明示した([4])。 また、より一般的nonlinear incidence ratesを持つSIR病理モデルでも、その離散化方程式の場合の大域漸近安定条件が連続モデルと同様に求めれることを示した([3])。 2)その他の遅れを持つ微分方程式系やその離散化方程式系の解の大域漸近安定性について: Self-difusionsに支配されるcross-diffusionsを持つ系が遅れを持つ場合の大域解の存在と大域漸近安定条件を求めた([8])。また、2個の遅れを持つVolterra積分方程式系のcritical caseの解の漸近状態を調べた([6])。 [6]と[12]はGopalsamy and Liu's conjectureに関する論文。
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