研究概要 |
以下の3点について研究をおこなった. 1)力学系のデータベース化: ・高性能なPCによる計算の準備:2次元,3次元のGCM(globally coupled system)におけるいくつかの計算を行った。その結果,我々の興味のあるchaotic itinerancyの共鳴部分は孤立化できないため,cmgraphの方法(全構造解析)そのままでは適さない.何らかの改良を模索中である. ・Rutgers大学のクラスタ(conley)上の新しいアルゴリズムで動くnew cmgraph cmgraphは,研究協力者のP.Pilarczyk,K Mischaikowを含むさらに拡大したメンバー(申請者はメンバーの一人)により,より一般の力学系を扱えるようにバージョンアップし,彼らから報告を聞いた.インストールをして実験中である. ・数学的理論の定式化:Lesliemodelにおいて必要となる分岐理論的枠組みの簡単な場合(サドルーノード分岐,バウンダリ・クライシス等)は論文執筆中,投稿中である. (2)計算的・位相的方法のネットワークへの応用:生物ネットワーク,タンパク質のモデル等,トポロジー的計算的な方法の応用の可能性がいくつか具体的なものがあることが分かった.遺伝子発現のモデル・GCM等いくつかの具体的な系について調べ,データベース的な計算が可能かどうか検討中である (3)カオスを含む力学系の大域的振る舞い:2GCMあるいは3GCMにおいて,その内部構造を調べる計算は続行中である。
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