研究概要 |
まず,研究代表者四ツ谷晶二の若狭徹(早稲田大)との共著論文ついて説明する.反応拡散方程式の反応項が最も典型的なf(u)=sin uの場合に,各定常解のまわりでの線形化固有値問題の,すべての固有関数の形状について拡散係数を零に近づけたときの精密な漸近表示を得たものである この論文の結果が,双安定という一般的な枠組みで何が成り立つかについて研究をすすめている.特に,非線形項をAllen-Cahn型f(u)=u-u^3に選んだ場合を念頭において,f(u)=sin uの場合と比較しながら研究し,その結果を論文として投稿する直前の状況にある また,四ツ谷はこれまで解析不可能と思われていた,生産項をもつGierer-Meinhart方程式系の定常解の大域的分岐構造を明解に明らかにする結果を,ドイツ・ドレスデンで開催された,第8回AIMS国際会議において発表した 次に,分担者森田善久・二宮広和の論文と研究状況について説明する.反応拡散方程式の進行波に関する,彼らによって得られた最新の結果,および,世界的な研究動向について概観する共著論文の英訳版が刊行された.森田は小川との共著論文において,質量保存を満たす反応拡散方程式の非定数定常解の安定性と分岐現象について新たな知見を示した.さらに二宮は,台湾師範大学のJ.S.Guo氏・Tsai氏と共同研究を行い,2次元のスポット進行波解の構成に成功した
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