研究課題
南アフリカ天文台サザーランド観測所にわが国が設置した赤外線望遠鏡IRSFと3色同時撮像装置SIRIUSに偏光測定ユニットSIRPOLを搭載し、銀河系の中心部と銀河面に沿った領域および星形成領域のJ、H、Ksバンド偏光観測を行なった。銀河系中心部で銀河面に沿った領域の偏光観測を行なった。銀河系中心部での星形成に関する論文を発表した。また、すばる望遠鏡に搭載した観測装置CIAOと偏光計を使った銀河系中心部の高解像度偏光観測の論文を執筆中である。さらに、へび座南領域とNGC2264領域の近赤外線偏光観測を論文化した。まず、銀河系中心部の、銀河面に沿った領域の偏光観測を行ない、主としてHバンドからKsバンドにかけての偏光の波長依存性を決定するデータを取得した。Jバンドに関しても、あまり星間減光を受けていない星に対して数多くのデータを得た。IRSFとSIRIUSによる銀河系中心部の繰り返し観測のデータを使って、セファイド変光星を求め、星形成の歴史を:求めた。これは、数千万年程度昔の時代に対して、従来の方法よりも時間精度がきわめて高い導出と考えている。高解像度データからは、Herbig Be星クラスの、年齢10^6年程度で周囲にダスト円盤を持つと考えられる天体の候補を選び出し、論文を執筆中である。これらの星は、銀河系中心部の着い星め起源の議論に重要なカギとなる。また、近傍の活発な星形成領域、へび座南領域とNGC2264領域の近赤外線偏光観測から、HバンドとKsバンドの点源の偏光を用いて磁場の方向を決定した。へび座南領域では、磁場がメインフィラメントと直交しており、さらに、メインフィラメントに直交するサブフィラメントと磁場とは平行であることを見出した。NGC2264領域では中心部と周辺部とで磁場の方向がやや異なること、C-F法から磁場強度がおよそ100μGであることを求め、ApJ誌に発表した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)
The Astrophysical Journal
巻: 35
DOI:10.1088/0004-637X/741/1/35
Nature
巻: 477, 7363 ページ: 188-190
DOI:10.1038/nature10359
巻: 734
10.1088/0004-637X/734/1/63
http://www.kusastro.kyoto-u/ac.jp/~nagata/Gcpollambda/index.htm