研究概要 |
一般化された一般相対論的電磁流体力学 (GRMHD)方程式を一般相対論的二流体力学方程式より導出し,イオンと電子からなる通常プラズマと電子と陽電子からなる対プラズマのブラックホール近傍での挙動の違いを調べた。導出された GRMHD 方程式によりその違いはオームの法則の熱起電力とホール効果のみであることが明確にされた。まず,ホール効果について通常プラズマには現れるが,対プラズマには現れない.さらに,ガンマ線バーストやマイクロクエーサーのまわりの通常プラズマについてはホール効果が現象に影響を与える可能性が出てくることが示された。また,熱起電力の項はガンマ線バースト,マイクロクエーサー,活動銀河核のまわりの通常プラズマおよび対プラズマいずれに対しても古典電気抵抗の項よりも大きくなるが,電気抵抗により引き起こされる磁気リコネクションのような特異な現象は起こるとは考えられず,プラズマに大きな影響を与えるとは考えられない。
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