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2010 年度 実績報告書

rプロセス元素に見る矮小銀河・銀河系ハローの星形成史

研究課題

研究課題/領域番号 21540244
研究機関国際基督教大学

研究代表者

石丸 友里  国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (90397068)

キーワード理論天体物理学 / 銀河の化学進化 / 金属欠乏星 / 銀河系 / 矮小銀河 / rプロセス / 超新星爆発 / 元素合成
研究概要

本研究の目的は、銀河系ハローにある金属欠乏星の化学組成を手がかりに、我々の銀河系の化学進化の観点からrプロセス元素の起源を明らかにすることである。金属欠乏星の観測的特徴として、rプロセス元素の化学組成比が非常に大きく分散することが知られている。この解釈として、(a)個々の超新星爆発が誘発する星形成と共に銀河系が形成されたという仮説と、(b)星形成史の異なる様々な規模の倭小銀河の衝突・合体によって銀河系ハローが形成されたという仮説が考えられる。これまでの本研究の成果では、もし銀河の形成過程が(a)の仮説に従うならば、rプロセスの起源は太陽の8~10倍程度の質量の星の超新星爆発にあることが示唆されていた。しかし、近年の元素合成の研究から、rプロセスの起源は超新星よりもむしろ中性子星の合体に可能性があることが議論されている。
そこで、特に平成22年度は(b)の仮説に従った銀河進化モデルを構築し、rプロセスの起源として、中性子星の合体の可能性について検討した。中性子星の合体には時間がかかりすぎるため、(a)の仮説の場合は、観測よりも高い金属量で化学組成比の分散が現れることが指摘されていた。しかし、本研究によって、我々の銀河系ハローが様々な星形成率に従って進化した綾小銀河の集合体と考えれば、予測されるrプロセスの化学組成比の分散は、観測と矛盾しないことが示された。この結果は、rプロセスが中性子星の合体によって起こるという仮説を強く支持する結果となった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 階層的銀河形成シナリオに基づくrプロセス元素の起源2011

    • 著者名/発表者名
      石丸友里
    • 雑誌名

      2011年日本天文学会春季年会予稿集

      ページ: X33a

  • [学会発表] 階層的銀河形成に基づくrプロセス元素の起源2011

    • 著者名/発表者名
      石丸友里
    • 学会等名
      恒星進化・星形成から探る銀河の形成・進化の研究-宇宙最初の星から太陽系形成まで
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011-03-03
  • [学会発表] Enrichment of the r-process elements in the sub-halos as building blocks of the Milky Way halo2010

    • 著者名/発表者名
      石丸友里
    • 学会等名
      11th Symposium on Nuclei in the Cosmos(NIC XI)
    • 発表場所
      ドイツ・ハイデルベルグ
    • 年月日
      2010-07-20

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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