本年度の実施計画に記載した「密集領域でのE+A銀河の性質について」は、昨年度観測を行ったかみのけ座銀河団の電離水素ガスを伴ったポストスターバースト銀河に関して、本年度その成果が論文として出版された。このような銀河の外にある電離水素ガスに関連して、我々の銀河系の近傍でも電離水素ガスが輝線を発しているため、その励起機構に関する調査を行なった。具体的には、過去バルマー輝線が検出されている領域の周辺について狭帯域の撮像観測提案を木曽観測所に対して行った。この提案は採択され、本年度観測時間を得て実際に観測を行うことができた。観測結果を解析した結果、我々の銀河系の周辺での電離水素ガスの形状について新たなる知見を得ることができた。この結果について学会報告と論文発表を行なった。また、E+A銀河と中間赤外から遠赤外にかけての超過との関連に関しての研究については、巨大データベースとの照合が必要となる。このような照合作業を高速かつ効率的に行うためのアルゴリズムの開発と実装を進め、学会報告と論文発表を行なった。「弱い輝線を含んだE+Aサンプルの解析」については、昨年度取得したケック望遠鏡でのデータについて韓国の研究者を中心として解析を進め、このような銀河の中心付近では活動銀河核からの放射が銀河円盤中のガスも電離し、広がった成分となってしいるという示唆が得られた。この結果に関し論文を査読誌に投稿し受理された。
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