研究概要 |
1)正確な重力波観測は、重力理論の検証にとって有用と考えられている。本当に、重力波観測における理論予測からのずれは、一般相対性理論の綻びといえるのか?これに対して、標準的な理論模型からの波形と似ているが、微小なずれを与える天体現象があり得ることを数値的と解析的な方法の両方で示した(Torigoe, Hattori, Asada, PRL 2009, Asada PRD 2009)。つまり、話はそう単純ではなく、注意深い解析を行なわなければ、修正重力理論の探査とは言えないことが明らかとなった。 2)重力マイクロレンズを用いた修正重力理論検証のための定式化を行い、簡単な理論モデルでの数値的検証を行ない、その有用性を示した(Asada, PTP 2011)。 3)重力理論の観測的なプローブとして多体系における相対論的効果を検討する過程で、相対論的な3体系の特殊解ならびに興味深い性質を発見した(Yamada, Asada, PRD 2010, 2011, Ichita, Yamada, Asada, PRD 2011)。 4)相対論的な重力理論は「非自明なトポロジー」をもつ時空を許す。代表例のひとつが、エリスワームホール(いわゆる時空トンネル)であり、それを観測的に発見もしくは存在確率に制限を課す天体物理的な方法を提案した(Toki, Kitamura, Asada, Abe, ApJ 2011)
|