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本年度の実績は、宇宙背景放射ゆらぎのミンコフスキー汎関数による非ガウス性に関する研究、銀河分布と宇宙背景放射ゆらぎの重力レンズ効果との相互相関による初期非ガウス性への制限に関する研究、密度パワースペクトルの尤度解析に対する非ガウス的誤差の効果に関する研究、広視野弱重力レンズサーベイシミュレーションにおける相関関数の共分散行列に関する研究、および、非局所バイアスと赤方偏移変形と初期非ガウス性の効果をすべて含む一般的な摂動論の定式化に関する研究、などがある。本年度は、数値シミュレーションの解析、フィッシャー行列を用いた理論解析、そして解析的な摂動論を用いた理論的研究、の多方面において多くの成果が得られた。特にシミュレーションでは世界でも最大規模の計算を用いることで、精密な観測の解析に必要な誤差の性質をこれまでにない精度で調べることができた。また、独創的な解析的な摂動論の手法により、宇宙マイクロ波背景放射を用いて宇宙の初期ゆらぎの非ガウス性を検証するための、理論的な解析的を新しく求めることができた。そして、これまでの摂動論では不可能であった、観測空間における銀河分布のパワースペクトルなどを求めることについて、非常に一般的な枠組みのもとでこれを可能にする定式化を行った。さらに摂動項の一部をすべて足し上げてしまう再和法についてもこの定式化に組み込むという独創的な手法の開発に成功した。
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