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2011 年度 実績報告書

原子核におけるパイ中間子の重要性とテンサー最適化シェルモデルによる定量的記述

研究課題

研究課題/領域番号 21540267
研究機関大阪大学

研究代表者

土岐 博  大阪大学, 核物理研究センター, 名誉教授 (70163962)

キーワードパイ中間子 / テンソル力 / テンサー最適化シェルモデル / G行列 / 拡張されたブリュックナー理論 / 核物質の状態方程式 / 2p2h状態 / 電磁ノイズの佐藤土岐理論
研究概要

原子核物理においてパイ中間子は重要な働きをしている。しかしその取扱い法が確立されてはおらず、核力を直接使った重い核の記述は出来ないでいた。今回の科研費研究でその方法を確立出来た。
1。テンサー最適化シェルモデル(TOSM)の基本原理では、テンソル力を取り扱うにはシェルモデル的な基底状態をベースにして、それと直接テンサー力で繋がる状態を変分空間に導入した変分関数で多体系を記述するということである。この近似がどれくらい良いのかということを少数多体系の方法で確かめた。変分的には満足出来る基底エネルギーを得ることができる。テンソル相関に関してはほぼ90%取り込めることを定量的に証明した。
2。TOSMの基本原理をハートレーフォック(HF)法に適用した。その結果得られた運動方程式はブリュックナーハートレーフォッック(BHF)理論を内包するものであることが判明した。その定式化を拡張されたBHF理論(EBHF)とし論文として発表した。テンソル力をあつかうには十分な2p2h状態を導入する必要がある。そのことにより運動量の大きな成分を基底状態は含むことになる。現在はEBHF理論を使って有限核の計算を行うためのプログラムを開発中である。
3。EBHF理論はBHF理論を内包している。そこで、EBHF理論において2p2h間の相互作用として2粒子間のものだけに限るとするとBHF理論の方程式を得ることができる。さらには変分法に基づいているので、波動関数に高い運動量成分を含むことが可能になる。その考えを無限核物質に応用した。最初にBHF理論の状態方程式はほぼ再現することを示した上で、高い運動量成分の計算を行った。中性子星のニュートリノ冷却においてURCA過程が可能になることを示した。研究成果を論文として投稿した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Extended Brueckner-Hartree-Fock theory with pionic correlation in finite nuclei2011

    • 著者名/発表者名
      Y. Ogawa and H. Toki
    • 雑誌名

      Annals of Physics

      巻: 326 ページ: 2039-2052

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Relativistic chiral mean field model for finite nuclei2011

    • 著者名/発表者名
      Y.Ogawa, H.Toki
    • 雑誌名

      Nucl.Phys.

      巻: A860 ページ: 22-40

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of the tensor interaction in He isotopes with atensor-optimized shell model2011

    • 著者名/発表者名
      T.Myo, A.Umeya, H.Toki, K.Ikeda
    • 雑誌名

      Phys.Rev.

      巻: C84 ページ: 034315

    • 査読あり
  • [学会発表] The importance of pion and extended Brueckner-Hartree-Fock theory2011

    • 著者名/発表者名
      H.Toki, Y.Ogawa, Jinniu Hu
    • 学会等名
      Erice Nuclear Physics Symposium
    • 発表場所
      Erice, Italy
    • 年月日
      2011-09-19
  • [図書] 相対論的原子核物理2011

    • 著者名/発表者名
      土岐博、保坂淳
    • 総ページ数
      100
    • 出版者
      大阪大学出版会
  • [備考]

    • URL

      www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~toki/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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