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2009 年度 実績報告書

次世代ダークエネルギー探査を用いた宇宙論スケールの重力理論の検証

研究課題

研究課題/領域番号 21540270
研究機関広島大学

研究代表者

山本 一博  広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50284154)

キーワードダークエネルギー / 重力理論 / 大規模銀河サーベイ / フーリェ解析
研究概要

SDSS銀河分布のデータを用いたパワースペクトル解析を進め、バリオン音響振動(BAO)の減衰から得られる宇宙論的制限を調べた。これまでの研究からBAOの減衰を測定することで、質量密度揺らぎの振幅に制限が得られる可能性が示唆されていた。今年度は、まず測定したパワースペクトルからBAOの信号を取り出す安定した方法を開発し、BAOの減衰を理論に基づいた表式と比較することで、質量密度揺らぎの振幅に対する制限を定量的に求めた。その結果、BAOの減衰が存在されることを確認するとともに、得られた質量密度揺らぎの振幅が宇宙項を導入したコールド・ダーク・マター・モデルの予言と良く合うことが分かった。また将来の大規模な赤方偏移サーベイによって得られる質量密度揺らぎの振幅を定量的に予言し、それが重力理論の制限にも有用であることも示した。成果はPhys. Rev. D誌に発表された。
また、f(R)拡張重力模型における宇宙論的密度揺らぎの進化を数値的及び解析的に調べ、スカラー・テンソル漸近領域での近似表式を見いだした。f(R)拡張重力模型ではコンプトン波長と呼ばれる量が理論を特徴づける量で、将来の弱重力レンズサーベイで期待されるコンプトン波長の制限を調べた。成果は、Phys. Rev. D誌に掲載された。また、このコンプトン波長パラメーターに対してSDSS銀河分布データの多重極スペクトルを測定して制限を与えた。この成果は現在投稿中である。
また、拡張重力模型として最近提案されたHorava-Lifshitz重力模型の性質を明らかにするため、この模型に特徴的な初期揺らぎのスペクトルをインフレーション理論に応用して調べた。成果は、Phys. Rev. D誌に掲載された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Characterizing the linear growth rate of cosmological density perturbations in an f(R) model2010

    • 著者名/発表者名
      成川達也, 山本一博
    • 雑誌名

      Physical Review D 81

      ページ: 043528-1-11

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Breaking the scale invariance of the primordial power spectrum in Horava-Lifshitz cosmology2009

    • 著者名/発表者名
      山本一博, 小林努, 中村元
    • 雑誌名

      Physical Review D 80

      ページ: 063514-1-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Constraint on the growth factor of the cosmic structure from the damping of the baryon acoustic oscillation signature2009

    • 著者名/発表者名
      中村元, 佐藤貴浩, Gert Huetsi, 山本一博
    • 雑誌名

      Physical Review D 80

      ページ: 123524-1-6

    • 査読あり
  • [学会発表] バリオン音響振動の減衰を用いた質量ゆらぎの振幅の制限2010

    • 著者名/発表者名
      中村元
    • 学会等名
      日本天文学会
    • 発表場所
      東広島市
    • 年月日
      2010-03-24
  • [学会発表] f(R)モデルにおける密度揺らぎの進化2010

    • 著者名/発表者名
      成川達也
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      岡山市
    • 年月日
      2010-03-21
  • [学会発表] Testing gravity on the scales of cosmology2009

    • 著者名/発表者名
      山本一博
    • 学会等名
      Science Opportunities with Wide-Field Imaging and Spectroscopy of the Distant Universe
    • 発表場所
      アメリカ合衆国 Princeton University
    • 年月日
      2009-11-10
  • [学会発表] Uniform approximation and primordial power spectrum2009

    • 著者名/発表者名
      山本一博
    • 学会等名
      DeNET サマースクール
    • 発表場所
      宮野湾市
    • 年月日
      2009-09-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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