本研究では、宇宙の加速膨張の説明に動機を持った重力理論の拡張模型がその有効な解決法になるかどうかを明らかにするための研究を行った。主に三つの側面から研究を進め、次のような成果を得た。(1)SDSS銀河データの多重極パワースペクトル解析から宇宙論的スケールの重力検証法を確立した。(2)f(R)模型、ガリレオン模型などの修正重力理論の宇宙論的振る舞いを明らかにして模型に対する強い制限を得た。(3)銀河団スケールにおいては、外縁部で修正重力理論の特徴が現れる可能性を示して、銀河団の重力レンズ、X線、スニヤエフ-ゼルドビッチ効果の観測の組み合わせにより強い制限が得られることを実証した。
|