コンパクト星(中性子星、ハイブリッド星、クォーク星)の熱的進化と冷却曲線を計算した、相転移によりクォーク星(ストレンジ星)が形成された場合、特殊なニュートリノ放出過程が超新星爆発にどんな影響を及ぼすかを調べた。さらにハイブリッド星の冷却曲線の計算へとつなぎ、カラー超伝導の効果も取り入れ、特にクォークとハドロンの混合相について詳しく調べた結果、超新星残骸CasAの中心部に見つかった高密度天体の冷却曲線を再現するパラメータを調査する必要があることが判明した。特に、CasAの中心天体の冷却曲線が最近10年間詳細に観測されており、その説明には適度の冷却が必要であり、標準冷却モデルでは説明できない。我々のモデルは混合層に核子の超流動相転移をパラメータ化し、CasAの観測値を説明することができるパラメータを定性的に探究した。次年度のテーマとしては、必要なパラメータの厳格な制限を構築することである。最近のコンパクト星の質量の観測も含めて再現できるような状態方程式が存在しうるか検討する必要もある。その場合、クォーク・ハドロンの混合層の共存がそもそも可能かどうか精査する必要がある。 QCD相転移に伴いバリオンの非一様性が発生することがしてきされていとことを基に非一様素合成を行った。特に、初期宇宙初期モデルの構築と重元素合成について非一様モデルを用いて、大規模な元素からなる核反応ネットークにより宇宙初期元素合成と中重核元素合成を行い、WMAPと新たな観測との整合性を見出すことを試みた。しかし、QCD相転移モデルのパラメータを制限するまでには至っていない。非一様のシナリオが宇宙初期のインフレーションとも関係している議論があり、モデル構築が困難なためであった。しかし、非一様元素合成が観測と一応無矛盾なことがシミュレーションによりある程度検証できつつある。
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