研究概要 |
ソリトンの解空間を理解することは,非摂動効果の理解を進展させるうえで重要な役割を果たす.BPSソリトンと呼ばれる特別のクラスのソリトンは運動しない限り,力が働かないという性質がある.しかし,それらに限った場合でも,一般には解を具体的に得ることは難しい.一方,完全に厳密解が得られる可積分系というクラスのソリトンも存在する.そうしたソリトンのひとつが双曲面上のボーテックスである.今までアーベルゲージ理論での解が知られていたが,非アーベルゲージ理論での解を構成することに成功した.この成果はさらなる一般化とボーテックスの深い理解への道を開く可能性がある. 運動するボーテックスの間には力が働く.これはモジュライ空間の計量を求めることで決定できる.一般の場合には計量を求めるのは困難だが,十分に離れた場合には,有効理論を具体的に決定できることを示した.特に非アーベルゲージ理論でのボーテックスについて,具体的に求めることに成功した. 余剰次元模型での大きな課題の一つはゲージ場,特に非アーベルゲージ場を局在させることである.5次元ゲージ理論で,ドメーン・ウォール上に非アーベルゲージ理論を局在させる機構を提案した.さらに具体的に超対称理論でドメーン・ウォール解を構成し,その機構が働いていることを示した.
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