研究課題/領域番号 |
21540280
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鷹野 正利 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00257198)
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キーワード | 一様核物質 / 状態方程式 / 変分法 / 中性子星 / 超新星爆発 |
研究概要 |
現実的核力(AV18+UIX)から出発した超新星爆発(SN)計算用核物質状態方程式(EOS)の作成を進めた。クラスター変分法(CVM)を用いた一様相の核物質EOSは、SN計算に必要な密度・温度・陽子混在度に対してほぼ完成した。このEOSの特微を知るために,有限温度レプトンガスの混在を考えた原始中性子星(PNS)の構造を計算した。ただしニュートリノがトラップされている状態を扱うため、電子混在度を固定し、断熱近似と等温近似の2種類の近似で検討したところ、得られたPNSの振る舞いは妥当であることを確認した。 また非一様核物質に対するEOSはThomas-Fermi(TF)近似により計算を行うが、その際に用いる一様核物質EOSのデータは、非常に低密度な領域から必要である。ところが低密度核物質に対するCVMを実行したところ、triplet-even状態で中心力型及びテンソル型相関関数が大きな振幅を示し、一核子当たりの結合エネルギーも1MeVに近い値に漸近した。これは明らかに重陽子束縛状態を形成しようとしている振る舞いであり、現実的核力から出発しているからこそ見られる現象である。しかし非一様相はTF計算で取り扱う予定であるため、一様相のEOSがクラスター構造の影響を含んではならない。そこでhealind distance条件を改良することで、一様相における重陽子クラスター形成を形成したEOSを作成した。さらに非一様相のTF計算を進め、絶対零度核物質の相図を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Thomas-Fermi計算用の一様核物質の自由エネルギーのクラスター変分法数値計算に当初の予測以上に時間がかかってしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
Thomas-Fermi計算用の一様核物質の自由エネルギーのデータ数を、Thomas-Fermi計算自身に支障がない範囲に制限することで計算時間の短縮を図る。
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