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2009 年度 実績報告書

QCD解析のためのループ積分法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21540286
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

金子 敏明  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (40177522)

キーワードQCD / ループ積分 / 超幾何関数 / 次元正規化法
研究概要

質量のない粒子の伝搬関数が構成するBOXスカラー積分のうち、赤外発散を持つものは、一部の外線の運動量がon-shellになる場合である。この場合のスカラー積分を解析的に積分し、結果を拡張超幾何関数により表わした。On-shell粒子数が4,3個の場合および2個の一部の場合には、一般のD次元においてLauricellaのF_Dにより統一的に表わされることが分かった。また、その他の場合には、F_Dでは書けないが、(D-4)のLaurent展開として赤外発散および有限部分まではF_Dで表わされることが分かった。これにより精度の高い、信頼性のあるライブラリ作成の基礎ができた。
また、これに対し数値計算を行うため、(D-4)で展開しガウスの超幾何関数、さらに高次対数関数で表わすための恒等式および計算アルゴリズムの開発を行った。これにより赤外発散のある場合のスカラー積分についての数値計算ライブラリを作成した。数値計算の結果は他のシステムと比較し、十分な一致をみている。
また、一般の高次ループの赤外発散部分を分離する、セクター分解法という方法が開発されている。この方法によれば、(D-4)のLaurent展開係数が赤外発散を含まない積分として分離できる。しかし、分割されたセクター数は反復法の分割戦略に依存し、分割数に比例する計算量が要求されるため、分割数の少ない方法が望まれている。今回、従来の反復法とは根本的に異なる方法を開発した。これは被積分関数の漸近的ふるまいを分類し、それによりセクターを決定分割する。これはまた凸多面体のアルゴリズムに帰着される。これにより、これまで開発されてきた反復法のいずれよりも少ない分割数を実現することができた。結果は国際ワークショップで発表し、論文はcomputer physics communicationsに掲載予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Sector decomposition via computational geometry2010

    • 著者名/発表者名
      金子敏明
    • 学会等名
      13^<th> International Workshop on Advanced Computing and Analysis Techniques in Physics Research (ACAT 2010)
    • 発表場所
      インド・ジャイプール
    • 年月日
      2010-02-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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