報告者は、自身で開発、発展させてきた「無限小変位ガウス・ローブ法」をハイパー核、中間子原子核分野、ハドロン分野に適用し、各分野の研究重要課題の発展に寄与、原子核物理学の発展に大きく貢献したいと考えてきた。また、同時にその分野の課題を克服することで新しい課題への応用を高めることも目的とした。この研究手法は、これまでにハイパー核の分野に適用し、この計算結果が、高い予言力をもち、実験企画段階についても、その企画がどういう新しい物理的知見をもたらし、どのような物理的インパクトをもつのかを明らかにしてきた。実際に3種の実験に対して、実験前から密接に議論し、さらには、実験結果の解析・評価を行っており、ハイパー核の実験に対して貢献をしてきたと実感している。本研究では繰越金を活用し、kbar-N相互作用を活用したKNNNの研究の議論を行った。ミュンヘン工科大学のWeise教授とともにKbar-N相互作用の構築の議論まで進んだ。構築された相互作用を活用した構造の準備的段階の研究まで進めることができた。また、同時にこの計算法をさらに発展させ、5体問題の束縛状態の計算を成功させた。具体的には、^<11>Be_<ΛΛ>をααΛΛNの5体問題として構造を計算し、最近発見されたHIDAイベントが、^<11>Be_<ΛΛ>の基底状態の発見であることを指摘した。この研究成果はPhysical Review Letterに掲載された。
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