研究概要 |
宇宙元素合成において非常に重要なAl-26は半減期72万年でガンマ線を放出する原子核である。このガンマ線は、ガンマ線観測衛星により観測され、銀河の中心方向から飛来する事が知られている。このAl-26の生成は大質量星の超新星爆発やWolf Rayet星に由来するといわれており、その存在量から、超新星爆発の頻度が百年あたり1.9回と推定されている。この様にAl-26は非常に重要であるが、その生成量の計算には、Si-26を経由するバイパス過程に由来する不確定さがある。そこで、Si-26の原子核構造をゲルマニウム検出器を便用して詳細にしらべ、ガンマ線分光実験を行った。 Si-26の励起状態は、10MeVのHe-3ビームをマグネシウムターゲットに照射し24Mg(3He,n)26Si反応で生成した。放出されるガンマ線はゴニオメータに設置したゲルマニウム検出器を用いて、測定角度を90度と135度に変化させて測定した。ガンマ線同時測を行い、2台の検出器で90度-90度と90度-135度のガンマ線角度相関を測定した。今回の測定では、ゴニオメータを使用した事により、検出器の立体角を一定に保ったまま測定が可能になった。実験の結果、これまでに既に得られている角相関の結果と良く一致した。
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