LHCは2009年秋より衝突実験が開始されたが、本格的な7TeVでの実験は2010、11年に行われる。ルミノシティを10倍の10^<35>/cm^2/secに増強するSLHC実験の計画も少し遅れる予定であるが、R&Dは進められている。 本研究の平成21年度においては、SLHCでのミューオン・トリガー準備研究として、モンテカルロ・シミュレーションを行い、ミューオンの運動量分布、トラック・レートについて評価を行った。その結果、現在のレベル1・トリガーのスキームでも、ミューオン以外のバックグラウンドは少ないが、運動量分解能が不足しているためにトリガーレートが、データ収集の限界を大幅に超過するおそれがあることが判った。 また、トリガー・プロセッサーのプロトタイプの設計の為に、FPGAを搭載したテスト用モジュールを製作し、様々なconfigurationでの動作テストを行った。また、光通信や高速シリアル通信の性能の確認の為の通信テストを行った。
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