LHCは2011年7TeVで3×10^<33>/cm^2/secのピークルミノシティを達成し、5fb^<-1>の衝突実験データを蓄積した。またルミノシティを5×10^<34>/cm^2/secに増強するHL(High Limnosity)-LHC実験の計画も2023年から予定され、R&Dが進められている。 平成23年度においては、2019年に予定されているPhase Iアップグレードでのミューオン・トリガー準備研究をおこなった。まず実験データからの解析により、Fake Triggerの原因がエンドキャップ・トロイド付近から発生した荷電粒子(主として陽子)によりものであることが判った。 これらのFake Triggerを除去し、トリガーレートをデータ収集の要求以下におさめるために、エンドキャップ部スモール・ウィールをもちいた新しいトリガースキームについて研究を行なった。位置分解能及び角度分解能に優れた検出器を設置して、衝突点からトラックが来ていることを要求することで、効果的にトリガーレートを抑制できることが、モンテカルロシミュレーション及び実データの解析から判った。 また、このためのトリガー・プロセッサーの設計を行ない、FPGAを搭載したテスト用モジュールで、光通信や高速シリアル通信の性能の確認及び、動作テストを行った。
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