研究課題/領域番号 |
21540302
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
山内 誠 宮崎大学, 工学部, 准教授 (80264365)
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キーワード | 宇宙科学 / 宇宙物理 / 天文 / ガンマ線バースト |
研究概要 |
本年度は、いくつかの人工衛星によって、これまでに検出されたガンマ線ベーストのガンマ線閃光放射について、それぞれのスペクトルの特徴や継続時間とスペクトルの関係を調査した。このうち、Swift衛星とFermi衛星によって観測されたショートガンマ線ハーストについては、過去に少数のサンプルから提案されていた関係がサンプルを増やしても成り立つことを検証し、ショートガンマ線バーストの性質をより明確にすることができた。この結果は研究協力者が修士論文としてまとめた。また、「すざく」衛星搭載WAM検出器によって検出されたガンマ線バーストについては、統計的な研究をするために、衛星打ち上げから2008年3月までの739個のバーストについて調査を行った。この調査は今後も継続しバーストのカタログを作成へと結びつける。 統計的な調査と並行して今年度も新たなガンマ線バーストの探索を行い、WAM検出器では他衛星と同期がとれ、その位置が確定したもの21個、国際宇宙ステーション搭載MAX1観測装置では1個のガンマ線バーストを発見することができた。これらの速報、および解析結果についてはガンマ線バーストの世界的なネットワークに報告した。 可視光残光観測については、自動追観測システムの改修を行っていたが、途中に別の不具合が発生したため、今年度はその対策方法を検討し改修方針を定めることができた。また、口径50cm望遠鏡を用いたフィルターによるバンド観測については校正観測を行い、一部の構成パラメータを決定するとともに、2バンドでの観測を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度前半は、火山噴火による降灰のため望遠鏡を稼働させることができず、校正観測の開始が遅れたため3バンドでの校正パラメータの決定、および観測開始が半年程度遅れたが、人工衛星を用いた研究については計画通り進んでいるため、全体的にはやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後も「すざく」衛星搭載WAM検出器、国際宇宙ステーション搭載MAXI観測装置をメインに、ガンマ線バーストの発見、およびX線スペクトルやX線強度変動の観測を行うことで、閃光放射と残光放射の関係を調べる。また、地上からの可視光追観測を行い、X線残光と可視光残光の光度変化について調査する。この際、自動追観測システムの不具合の改修を、決定した方針に従い急いで実施する。
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