研究課題
前年度に行った、テスト結果を基に、今年度はDAQワークフロー基本部分の構築を行った。DAQワークフローシステム用のエンジンには、JBossjBPMを使用した。このエンジンは、オープンソースのJavaベースのエンジンで広く利用されているもので、本研究での使用には充分な機能を備えている。jBPMグラフィカルプロセスデザイナと呼ばれる操作性にすぐれたツールも用意されており、プロセス定義の更新およびシステムの開発が容易に行えるようになっている。今回、構築した基本部分では、ユーザーインターフェースであるGUI Clientを使って、サーバ情報のセッティングを行うことができるようにした。ワークフローシステムにおいて最も基本的な機能である、プロセスの開始、終了、フォーク、ジョインといった基本動作を実行できるようにした。また、オペレータの介入によってタスク処理を進める方法と、介入なしにタスク処理を進める方法の両方を実行できるようにした。さらに、タスク中から行う処理の例として、リモートのLinuxマシン上のアプリケーションを実行できるようにした。実行するアプリケーション例として、ROOTの例題アプリケーションの実行、およびDAQミドルウェアの実行を、Linuxのスクリプトファイルを起動することによって可能にした。いずれも問題なく実行できることを確認した。このように、DAQシステムで必要とされる操作をDAQワークフローシステムによって実現できた。このDAQワークフローシステムの基本部分を、実際のDAQシステムでの要求に合わせたプロセス定義としてタスクを記述することにより、さらに実践的なシステム構築につなげることができる見通しを得た。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
Nuclear Instrumentations and Methods in Physics Research, Section A
巻: Volume 623 ページ: 537-539
IOP Publishing, Journal of Physics : Conference Series
巻: Volume 219 ページ: Article No.022036
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