研究課題/領域番号 |
21540310
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
中村 英滋 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究機関講師 (70311131)
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研究分担者 |
明本 光生 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (40175815)
大木 俊征 筑波大学, 研究基盤総合センター, 研究員 (60415049)
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キーワード | 加速器 / キッカー / 高磁場 / 高応答 / 飽和 / 入出射 / コンパクト化 / 高電圧 |
研究概要 |
(1)目標達成度:本年度の計画は、「高磁場実証試験のための特殊装置の設計・製作と試験環境の整備」が、主となります。この計画は達成されております。加えて、各所の協力を得る事で、部分的に実証試験を実施することができました。この実証試験において、当初の物理的目標値である磁束密度0.3Tを越える、0.36Tでの高応答化の達成が確認されました。この結果は、1μs以下の早い応答を示すキッカー電磁石に関して、公開されている情報としては、世界最高の値に相当します。これらの結果をまとめた論文をジャーナルNuclear Instruments and Methods in Physics Research Section Aに投稿し、reviewerから「highly recommend」の評価を得、掲載されることになりました。 (2)副産的成果:空間分布の自動補正作用の発見:キッカー電磁石の空間分布は磁石の設計の段階で決まってしまいます。しかしながら、上記の作用により、励磁段階でも自動的に補正できることが確認されました。上述(1)の論文に併せて記載しております。 (3)浮上した問題点:上記(1)の成果に関する実証試験において、目標とする成果以上の結果も得られましたが、それを検証するための計測技法の計測限界に到達しております。今後の発展のためには、新たな計測手法の開発が必須であります。本研究課題において実施したいところでありますが、現段階での検討結果においては、研究規模を拡大する必要がり、別の研究課題として提起しなければならないと考えております。次年度に、計測技法に関して理論的な再検証を行い、計測技法そのものの開発に関する方向性を打ち出したいと考えております。
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