研究課題/領域番号 |
21540310
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
中村 英滋 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究機関講師 (70311131)
|
研究分担者 |
高山 正和 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (20236368)
薮上 信 東北学院大学, 工学部, 教授 (00302232)
酒井 泉 福井大学, 工学研究科, 教授 (30141972)
|
キーワード | 加速器 / キッカー / 高磁場 / 高応答 / 飽和 / 入出射 / コンパクト化 / 高電圧 |
研究概要 |
本年度は本研究課題の最終年度であり、研究計画提案時の数値目標:1、出力0.3テスラ以上、2、磁場立ち上がり時間100ナノ秒、3、1Kppsの高繰り返し化の3項目に加え、シミュレーションを主体とした測定系じたいの電磁気解析による理論的検証に関して、最終的な評価試験等を実施しました。 1、前年度に目標の2倍以上の0.68テスラを達成しました。本年度は、小規模試験を実施し、1.33テスラまでの励磁を確認しました。本研究課題の副産的技術を組み合わせる事で3テスラ以上の更なる飛躍的性能向上の可能性も見出しました。 2、当初目標を達成しました。更なる性能向上のためには、利用していた励磁電源の改造が必要です。 3、平成23年3月から発生した多数回の巨大地震により、利用予定の機材の多くが破損し、一部予算も半年間の延期となりました。このため、手製の代替機器を準備し同等の高繰り返し試験を実施しました。その結果、目標の高繰り返し運転に対しても安定した性能を発揮する事を検証しました。 4、ピックアップコイルに誘起される信号に関する電磁場シミュレーションを実施し、従来技法の概念と概ね一致している事が判明しました。他方、誘導電流分布.に1~2割程偏差があり、この点を今後吟味していく必要があります。最終的な物理量としての磁束量に対する要求精度は1%です。 上記のように、それぞれの磁場測定結果から、本技術が基盤技術として有効である事を確認できました。また、磁束密度に関しては、更なる飛躍的性能向上の可能性も見出しており、今後も本研究課題を発展させて行きたく思っております。基礎物理研究分野で発展してきた高エネルギー加速器の更なる高エネルギー化や医療用シンクロトロン等小型加速器のコンパクト化のために必要な要素技術の一つとして、本研究課題の成果は重要な役割を担う事になります。
|