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2010 年度 実績報告書

多体効果を含む共振器QEDと光学非線形応答の最適化条件

研究課題

研究課題/領域番号 21540321
研究機関大阪大学

研究代表者

安食 博志  大阪大学, 工学研究科, 特任教授 (60283735)

キーワード共振器QED / 非線形光学応答 / フレンケル励起子 / 励起子分子 / スクイージング光
研究概要

1 励起子分子は非線形光学応答において重要な役割を果たすが、電子と正孔の多体効果を平均場で扱う近似では励起子分子を記述することができない。そこで、フレンケル励起子の場合ぐ励起子が近接サイト間のみホッピングし、2個の励起子が隣接するときに互いに引力相互作用を受ける、という模型がよく用いられる。これまで、この模型(主に1次元)を用いて励起子分子状態や非線形光学応答が数値的に調べられてきたが、十分大きなサイズが必要な場合は大規模な数値対角化を行う必要があった。昨年度は、この模型について1次元系に限ってではあるが、2励起子状態のエネルギーと波動関数を数値対角化に頼らないで高速に計算する方法を開発した。この方法はメモリの使用を大幅に減少させることができる。今年度は、この方法を2次元と3次元の場合に拡張することに成功した。共振器-量子井戸系の非線形光学応答を計算する場合、共振器モードの光子状態も考慮するために計算に必
要な自由度がさらに増加する。しかし、この方法を利用すれば、メモリ数と時間を大幅に節約した数値解析が可能となる。
2 共振器-量子井戸系からのスクイージング光の生成を共振器QEDに基づいて理論的に調べた。量子井戸の膜厚を制御することにより、励起子分子とポラリトンの結合状態を実現することができるが、この結合状態から生成されるスクイージング光の性質について、入射光強度などのパラメータ依存性を調べた。その結果、励起子ポラリトンよりも励起子分子が関与したスクイージング光の方がスクイージングの度合いが強いことを見出した。さらに、スクイージングの度合いが最大となる条件を明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A method for rapid calculation of two-exciton states2011

    • 著者名/発表者名
      H.Ajiki
    • 雑誌名

      Phys.Status Solidi B

      巻: 248 ページ: 452-455

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Light squeezing via biexciton in a semiconductor microcavity2011

    • 著者名/発表者名
      H.Oka, H.Ajiki
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B

      巻: 83 ページ: 045305(1-5)

    • 査読あり
  • [学会発表] 半導体微小共振器中の励起子分子を介したポラリトンスクイージング2010

    • 著者名/発表者名
      岡寿樹、安食博志
    • 学会等名
      日本物理学会2010年秋季大会
    • 発表場所
      大阪府立大学(堺市)
    • 年月日
      2010-09-25
  • [学会発表] A method for rapid calculation of two-exciton states2010

    • 著者名/発表者名
      安食博志
    • 学会等名
      Excon'10
    • 発表場所
      ブリスベン(オーストラリア)
    • 年月日
      2010-07-13

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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