研究課題
本研究では、微視的観点から電荷揺らぎや静的な電荷状態を敏感に測定可能な核四重極共鳴法を駆使することで、電荷揺らぎの媒介する超伝導機構の検証実験を推進している。CeCu_2Si_2、Cd_2Re_2O_7を研究の中心に据え、高圧下におけるNMR/NQR実験を行うことにより、CeおよびReの電荷状態を詳細に調べている。CeCu_2Si_2では、電気抵抗実験により得られた臨界圧力P_c=4.5GPa近傍でのCu-NQR周波数の詳細な圧力依存性の情報に注目が集まっている。これまでの実験では4GPaを超えると静水圧性が悪くなるので、新圧力媒体ダフネオイル7474を用いて圧力分布の低減を図った。3GPaまでNQR周波数測定に成功したので、今後は4GPa以上のNQR測定を遂行し、Ceイオンの価数状態の詳細な圧力依存性を明らかにしたい。これらの成果を量子臨界性と新奇な相に関する国際会議や日本物理学会において成果発表を行なった。Cd_2Re_2O_7では、1.5GPaまでの圧力では、NQR周波数は直線的に減少するが、2GPaでNQRスペクトルは突然広がることが明らかになった。T_<S2>での構造相転移は一次転移であることから、構造変化のヒステリシスや圧力分布の影響を慎重に考慮する必要がある。しかしながら、オンサイトのReイオン自体の電荷の不均化や軌道の秩序化の可能性が指摘されていることから、非常に興味深い実験結果であると考えている。これらの成果を磁性国際会議や日本物理学会において成果発表を行なった。
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