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2010 年度 実績報告書

臨界点近傍の遍歴電子磁性体の磁化曲線に及ぼすゆらぎの効果

研究課題

研究課題/領域番号 21540341
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

高橋 慶紀  兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (90143544)

キーワード遍歴電子磁性 / スピンゆらぎ / 磁化曲線
研究概要

前年度の磁気異方性をもつ遍歴強磁性体の自発磁化が、臨界温度で1次転移的に不連続に消失することを明らかにした研究は、JPSJのレターとして掲載済である。この論文で明らかにした自発磁化の温度依存性は、最近のUCoGeの磁化測定の結果とほぼ定性的によい一致を示すように見える.異常な磁化率の温度変化を示す常磁性体FeSiと類似のFeSb2についての研究についで申請者の磁化曲線の理論による解釈の立場から協力し、研究結果を同様にJPSJのレターとして投稿し、公表した。これらのどちらについても、磁化曲線に対する申請者によるスピンゆらぎの効果が特に重要になる例である。投稿準備中であった、スピンゆらぎ理論についての「講義ノート」も、物性研究刊行会が発行する物性研究の記事(8月号)として公開した。
臨界点沂傍で発生するメタ磁性転移について、その起源についての理解は未だ確立しているとは言い難い。実験グループと協力して研究を行っているFe3Mo3N化合物もメタ磁性を起こす興味ある例である。この研究課題の目的に関係することから、スピンゆらぎ理論の立場から、10月に京都で開催された国際Workshopの招待講演において、メタ磁性転移の理論について発表した。その内容は論文としてJ. Phys. : Conf. Ser.に投稿し、すでに受理されている。
それ以外に、Ising的1軸異方性をもつ強磁性の場合の比熱の温度依存性を、秩序状態と常磁性状態に渡る広い温度領域で計算した。この結果も2011年春の物理学会で発表した。震災のため、実際には口頭による発表はないが、学会の用意したwebにアッブロードし、オンラインで公開される予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 講義ノート:遍歴電子磁性とスピン揺らぎ理論2010

    • 著者名/発表者名
      高橋慶紀
    • 雑誌名

      物性研究

      巻: 94巻 ページ: 531-648

  • [雑誌論文] First-Order Magnetic Phase Transitions in Itinerant Electron Ferromag nets2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Takahashi
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn.

      巻: 79 ページ: 083707(1-4)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Magnetization process of a narrow gap semiconductor FeSb22010

    • 著者名/発表者名
      T.Koyama
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn.

      巻: 79 ページ: 093704(1-4)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Itinerant Electron Metamagnetism in eta-Carbide-Type Compound Co3 Mo3C2010

    • 著者名/発表者名
      T.Waki
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn.

      巻: 79 ページ: 093703(1-4)

    • 査読あり
  • [学会発表] Ising的な遍歴強磁性体の磁気比熱2011

    • 著者名/発表者名
      高橋慶紀
    • 学会等名
      日本物理学会第66回年次大会
    • 発表場所
      Webの講演資料公開サイト(新潟大学で発表の代わり)
    • 年月日
      2011-03-25
  • [学会発表] Fe3Mo3N化合物磁性の交換相互作用行列の波数依存性2010

    • 著者名/発表者名
      高橋慶紀
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2010-09-25
  • [学会発表] 異方的遍歴磁性体の自発磁化の温度依存性2010

    • 著者名/発表者名
      奥田祐希
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2010-09-24
  • [学会発表] 星型四面体格子のフラストレーションとFe3Mo3Nのスピン液体状態2010

    • 著者名/発表者名
      中村裕之
    • 学会等名
      日本物理学会2010年秋季大会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2010-09-23

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公開日: 2012-07-19  

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