本課題は量子効果を示す低次元スピン系の中で、特に軌道秩序を伴ったスピンパイエルス転移を示すと考えられるTiOBrにおける磁気励起を明らかにすることを目的とした。TiOBrは大型単結晶を得ることが困難であり、多結晶試料における中性子非弾性散乱測定を行った。ロスアラモス研究所で行った測定では、磁気ピークと考えられるシグナルは反強磁性のゾーン中心、エネルギーが10meV程度の領域で観測することに成功した。さらに、J-PARCで測定を行ったところ、E=6meV程度の低エネルギー領域に明瞭な新しいシグナルの観測に成功した。
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