研究課題
本計画の目的は、希土類四極子秩序系での転移点近傍の原子・磁気モーメントの熱振動変化から、これまで情報が欠落していた格子と四極子秩序・磁気秩序の関係を理解する事にある。そのために、複色中性子回折測定を行い、異方的温度因子を高精度で評価する。研究対象は希土類正方晶化合物RB_2C_2である。目的1:複色中性子回折実験の実用化二つの異なる波長を複合的に用いて解析結果の精度をあげる複色中性子回折法を実用化し、本研究を行う。目的2:DyB_2C_2での原子、磁気モーメント空間分布のT_Q近傍の温度変化評価複色実験によりDyB_2C_2での原子空間分布のT_Q近傍での変化を実験的に明らかにする。同形の関連物質との比較から、四極子秩序、磁気秩序と原子運動の関係を考察する。平成21年度は、とくに目的1の実現をめざした。そのために、まず既存の中性子回折装置の改造をおこなった,復色回折実験用モノクロメーターに対応し、かつ大強度化するために、装置駆動系の改造をおこなった。科研費での支出の大部分はこの改造にあてられている。平成21年度の工事で、改造はほぼ終了した。モノクロは別の競争的資金で作成されており、平成22年度4月に導入されれる。これにより、復色回折実験の実施準備がほぼととのった。平成21年度におこなったテスト測定により、解析精度が向上することを確認しており、新しい復色モノクロメーターの導入により、平成22年度には高精度実験を推進できる。また、実験用の純良試料の準備も平行して神戸大ですすめられた。この際に松岡により高品質原料を購入した。
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