母物質BaFe_2As_2、Baの一部分をKに置換したホールドーピング系(Ba_<1-x>K_x)Fe_2As_2(0≦x≦1)を中心に、高品質な単結晶の物性評価、及び超伝導関する圧力効果を調べた。圧力下での物性測定をおこなう上で、純良な試料の確保が大切である。KFe_2As_2に関して残留抵抗の小さい試料を得る事に成功し(RRR>500)、NMR/NQR、比熱測定から、KFe_2As_2が極端に大きさの異なる超伝導ギャップを持つマルチギャップ超伝導体である事、大きな超伝導ギャップが線状のノードを持つ可能性がある事を指摘した。純良な結晶が出来たために引き続き、ミューオン等による詳細な研究を継続している。BaFe_2As_2における高圧下の反強磁性の消失・超伝導相の出現の様子を15GPaまで調べた。BaFe_2As_2の超伝導は、静水圧性が高い場合には10GPaまで発生しない事が分かった。また反強磁性・超伝導の相転移が、一軸性圧力に極めて敏感であることを指摘した。引き続き、高圧NMRをおこなっていく。
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