研究課題
CeRhSi_3とCeIrSi_3の高圧力下比熱に関して、詳細な研究を行い、多くの知見を得た。本研究では、CeRhSi_3とCeIrSi_3の超伝導特性が反強磁性と如何に共存するかに焦点を当てている。両物質ともに、超伝導と反強磁性が明確にバルクとして共存することは、以前の比熱測定から理解されているが、反強磁性と超伝導が共存する圧力相と超伝導のみが観測される圧力相への移行(転移)が如何におこなわれるかは、不明であった。22年度の成果の第1は、バルク特性として反強磁性と超伝導が共存する圧力相と超伝導のみが観測される圧力相が、わずか0.05GPa以下の極めて狭い境界を介して存在することを観測したことである。詳細な相図を得たので、この境界の高圧側で、反強磁性が完全に消失したのか磁場下での測定をおこなうという指針を得た。また、磁場中交流比熱測定用のヘリウム3のクライオスタットをたちあげ、熱電対や温度計などを磁場中で使用する際の最適化条件を見出し、圧力下磁場中測定を可能にしている。磁場中では、変調温度を観測するための熱電対が磁場中で大きく磁場の影響を受けることが予想されたが、銀を用いたプレリミナリーな測定を行い、熱電対の出力電圧に磁場の影響は認められるものの、変調温度の観測には、大きな影響は無いことが分かった。これが、22年度の重要な成果の二つ目である。これまで実積のあった金-金鉄のみならず、コンスタンタン-クロメル、金鉄-コンスダンタンなどの熱電対のセットでも磁場下での測定を試みたが、極めて良好な温度変調特性を有していることが分かった。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)
Journal of Physics : Conference Series
巻: 215 ページ: 12187-12190