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2010 年度 実績報告書

空間変調する超伝導・超流動相とその発現機構

研究課題

研究課題/領域番号 21540360
研究機関京都大学

研究代表者

池田 隆介  京都大学, 理学研究科, 准教授 (60221751)

キーワード重い電子系 / パウリ常磁性 / d波超伝導 / FFLO / 反強磁性
研究概要

本課題に関する研究の22年の主な目的は、平行磁場下のCeCoIn5の高磁場・低温超伝導(HFLT)相においてのみ実験的に観測された反強磁性秩序とこの相をFFLO超伝導とする解釈が相入れるのかを明確にする理論の構築であった。そして、以下の3つの主要な成果を得た。まず、実験的に報告されたHFLT相への2次転移の異常なドーピング依存性はFFLO状態の弾性と不純物との相乗効果であれば半定量的に説明できるが、空間変調のない状態を高磁場相に対して仮定する限りこの現象は説明できないことを理論的に示した。これとは別に、パウリ常磁性の強いd波超伝導体では超伝導相内で磁場が増大するとともに、非整合反強磁性が誘起される傾向にあることを示した。つまり、パウリ常磁性の強いd波超伝導体ではFFLO状態と反強磁性とがともに高磁場相として起きやすいことが明らかとなった。これが、多くのパウリ常磁性の強いd波対状態超伝導物質に共通してHc2(0)近傍に位置する反強磁性量子臨界点を示唆する現象が見られているという実験事実の基本原理になっていると考えられる。そして、FFLO超伝導が持つ空間変調があるとこの反強磁性秩序は強められ、両者は共存しやすいことを具体的に示した。これらの成果は、フィジカルレヴュー誌に論文発表され、現在国際的に高い評価を受けている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Antiferromagnetic ordering induced by paramagnetic depairing in unconventional superconductors2010

    • 著者名/発表者名
      畠山雄気、青山和司、池田隆介
    • 雑誌名

      Physical Review B誌

      巻: 82 ページ: 060510-1-060510-4

    • 査読あり
  • [学会発表] Coexistence of d-wave superconductivity and antiferromagnetism induced by paramagnetic depairing2010

    • 著者名/発表者名
      池田隆介
    • 学会等名
      International Conference on Strongly Correlated Electron Systems
    • 発表場所
      サンタ・フェ、ニューメキシコ国際会議場、米国
    • 年月日
      2010-07-01
  • [備考]

    • URL

      http://cond.scphys,kyoto-u.ac.jp

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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