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2011 年度 実績報告書

アクチノイド化合物における大きな磁気抵抗効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21540373
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

山本 悦嗣  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究員 (50343934)

研究分担者 松田 達磨  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究員 (30370472)
立岩 尚之  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究員 (50346821)
キーワード強相関電子系 / アクチノイド / 巨大磁気抵抗
研究概要

ウランカルコゲナイドは共有結合性が強く、f電子は局在的な振る舞いを示すと考えられる。斜方晶のジカルコゲナイドUSX(X,=S,Se,Te)では原子番号が大きくなるにしたがい、半導体から金属まで伝導度が変化し、これに伴い磁性も常磁性から強磁性に変化する。このなかでβ-US_2は低温において狭いギャップを持つ半導体であるが、そのギャップは磁場や圧力などに非常に敏感であり、7T程度の磁場や8GPa程度の圧力で6桁以上も電気抵抗が減少し、金属的な振る舞いを示すことを明らかにした。大きな磁気抵抗効果は容易軸方向[001]に磁場をかけたときのみ顕著に観測され、困難軸[100]方向ではほとんどみられず、異方性が大きい。
β-US_2について50Tまでの強磁場磁化、磁気抵抗の測定を行った。その結果、4.2Kにおける容易軸方向[001]の磁化は40Tで飽和し、50Tでは1.75μ_β/Uに達した。これに対応して50Tの磁気抵抗は約5000分の1の2×10^<-2>Ω・cmにまで減少することを明らかにした。この磁気抵抗の減少は上述したように容易軸方向[001]のみで、50Tの強磁場中でも困難軸[100]方酊では磁気抵抗効果が現れないことがわかった。この容易軸方向で現れる伝導電子は強磁場中で、5f結晶場磁気モーメントが完全に配向するときにUサイトから放出されるものと考えられる。このようにβ-US_2の大きな磁気抵抗効果を詳細に研究を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

β-US_2に見られる大きな磁気抵抗効果について、強磁場や圧力下での詳細な研究ができた。アクチノイド化合物の大きな磁気抵抗効果の解明は着実に進んでいる。

今後の研究の推進方策

大きな磁気抵抗効果が見られるβ-US_2について比熱などのこれまでとは別の測定を詳細に行い、また同じ構造を持ちながら磁気抵抗効果が小さいもしくは示さないUSSe、USTeについても詳細な物性測定を行って、磁気抵抗効果の起源を解明する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Non-magnetic to Magnetic Transition under High Pressure in Narrow-Gap Semiconductor β-US_22011

    • 著者名/発表者名
      N. TATEIWA, Y. HAGA, H. SAKAI, S.IKEDA, T. D. MATSUDA, E. YAMAMOTO, Y. ONUKI
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan, Supplement A

      巻: Vol.80 ページ: SA103-1~3

    • DOI

      DOI:10.1143/JPSJS.80SA.SA103

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Magnetic-Field-Induced Metallic State in β-US_22011

    • 著者名/発表者名
      K.Sugiyama, 他
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan, Supplement A

      巻: Vol.80 ページ: "SA104-1"-"SA104-3"

    • DOI

      10.1143/JPSJS.80SA.SA104

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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