平成21年度は、LnFeAsO_<1-y>超伝導体がとるZrCuSiAs型結晶構造、LiFeAs超伝導体がとるCu_2Sb型結晶構造をはじめとした化合物のデータベースを構築するとともに、ZrCuSiAs型、Cu_2Sb型結晶構造をとりうる系統性を見い出すことを試みた。 ZrCuSiAs型結晶構造をとる物質を中心にサーベイして物性を理解することに重点をおいて研究を行うとともに類縁化合物にも着目した。 ここでは、ZrCuSiAs型結晶構造はThCr_2Si_2型結晶構造をとる金属間化合物と並び、比較的多数存在する為、全ての化合物を網羅することは現実的ではないので、主として鉄族化合物に着目した。 なお、LiFeAs超伝導体、この母物質と考えられるFe_2As化合物のとるCu_2Sb型結晶構造に関連したFe_2P関連化合物としてCo_2Si型結晶構造との関連性があるので、探索にあたってはこれらの結晶構造にも着目をしながら周辺化合物の新化合物探索を行った。 その結果、Mg-Ru-P系においてMgRuP相とおぼしき新化合物を見出したものの、2K以上では磁化測定では超伝導転移に対応する反磁性は観測されなかった。
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