• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

大変形する二次元粘弾性系の亀裂ダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 21540377
研究機関東北大学

研究代表者

早川 美徳  東北大学, 教育情報基盤センター, 教授 (20218556)

キーワード破壊 / 亀裂 / パターン形成 / 振動 / 不安定性 / 粘弾性 / 薄膜 / 粘性流体
研究概要

薄いゴムの円筒状の薄膜を、大きく変形させた状態で、高粘度のシリコンオイルを薄く塗布した硬い円筒の上に被せ、その一部に初期亀裂を導入すると、条件によって、その亀裂は、自発的に進展し、ある種の亀裂パターンを得ることができる。この系は、下地の粘性流体によって、膜の変形速度が強く制限されるため、通常であれば高速破壊となるべき状況であっても、低速な亀裂進展を観察することができる。
歪んだ状態のゴム膜が円筒の上で緩和する過程を測定することによって、特徴的な緩和時間スケールを実験的に見積もることができるが、ゴムに加える初期歪の大きさと、この緩和時間をパラメータとして、螺旋、振動、不規則、直進など、いくつかの特徴的な亀裂パターンが得られることが分かった。さらに、複数回の実験によって亀裂のモルフォロジについての実験相図の作成を行った。
その結果、亀裂パターンは、初期歪の大きさに加え、膜の緩和時間にも強く依存する結果が得られたが、このことは、シリコンオイルを介した基板との摩擦から生じるものに加え、それと独立した時間スケールを持つ環象との競合によって生じた結果であると予想している。
こうした予想を裏付けるため、バネモデル、および、有限要素法を用いた亀裂の進展過程の記述に現在取り組んでいる。
円筒を用いた実験では、歪の制御やビデオ撮影が難しいため、平面板に薄膜を挟みこんで、同様の実験を行うための装置の製作途上で、今後、組み立てと調整を行い、境界条件の違い等についても検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Model for Coiling and Meandering Instability of Viscous Threads2009

    • 著者名/発表者名
      S.Nagahiro, Y.Hayakawa
    • 雑誌名

      Journal of Physical Society of Japan 78

      ページ: 124402

    • 査読あり
  • [学会発表] 衝撃破壊の統計則と多数亀裂のパターン形成2009

    • 著者名/発表者名
      早川美徳
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-27
  • [学会発表] 大変形する薄膜中の亀裂進展パターン2009

    • 著者名/発表者名
      遠藤大樹、早川美徳
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-25

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi