研究概要 |
流動場の高精度解析をめざす基礎を固めることを目的とし, 1.3次元キャビティ内の流動場解析のための結合コンパクト差分解法の改良と精度の検証 2.様々な代表的なレイノルズ数,幾何形状の流れ場での長時間解析,適用限界の調査を行った. 今年度,名古屋大学情報基盤センターのスーパーコンピュータ更新が行われ,アーキテクチャ及びコンパイラーシステムの大きな変更がなされた.これに対処して,新スーパーコンピュータシステムへの計算コードの移植とチューニングが必要であった.このため,課題1.については、ほぼ完了したが,課題2.の広範範囲のパラメータの調査は不十分なものとなった. しかし、課題1を実行する中で、スキーム高精度化の際得られた境界条件に対する知見の一部を,境界側壁で大きな温度分布をもつ二次元細管内で発生する熱音響自励振動流の解析に適用し,適当なパラメータ変化による遷移が,ヒステリシス現象を伴うという新たな知見を得ている. また,課題2についてもスパンアスペクト比6.55の場合の低いレイノルズ数400程度の流れ場において,立方体キャビティでも数100以下の低いレイノルズ数で観測されていた両端の壁近くの二次流による渦構造とは別に,中心部の壁付近で流れ構造が変化し,局所的な流れが発生する興味深い現象を得た.この現象に焦点をあわせて,レイノルズ数,スパンアスペクト比などのパラメータ領域を変化させ,流れ場の変化を現在調査している.
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