研究課題/領域番号 |
21540383
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石井 克哉 名古屋大学, 情報基盤センター, 教授 (60134441)
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研究分担者 |
石原 卓 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10262495)
安達 静子 東京国際大学, 商学部, 教授 (70523009)
平野 靖 山口大学, 医学研究科, 准教授 (90324459)
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キーワード | 流体 / 計算物理 / 数理物理 / カオス / 可視化 / 遷移 / 流線 |
研究概要 |
三次元定常流の場合、レイノルズ数が高くなると、流線が島構造やカオス的構造を形成することが知られているが、これを調べるためには流動場の高精度数値シミュレーションが必要となる。昨年度に続き、流動場の高精度解析をめざす基礎を確立し、キャビティ流れにおけるカオス現象発生の解析を行うため、 1. 3次元キャビティ内の流動場解析のための結合コンパクト差分解法の改良。特に、ポアソン方程式解法の高速化に向けた改良 2. 側壁の影響の小さな、流れ方向の長さに対しスパン方向の長さが6.55の直方体の深さ方向の長さが異なるケースについて、レイノルズ数の変化に対するカオス発生の違いの解析の2課題をおこなった。 課題1については、通常差分と高精度結合コンパクト差分をハイブリッドで用いるマルチグリッド法の開発をおこない、同じ精度の結果を得るとき、通常の解法より数倍の高速であることを2次元流れに対して示した。課題2にたいしては、断面形状が正方形の場合が、キャビティの深さが浅い場合や深い場合に比べて、1:4などの楕円に近い閉軌道回りの島構造が小さなレイノルズ数で観察され、すべての周期軌道が不安定化するレイノルズ数が小さいという結果が得られた。二次元流れの線形安定性理論では正方形キャビティの臨界レイノルズ数は他の長方形キャビティの場合より小さく、この数値計算結果と矛盾はしていない。しかし、その関係は明らかでなく、現在検討を行っている。また、多面的に議論を行うため、側壁の影響が大きい、スパン方向の長さが流れ方向長さと同じ場合について現在解析を行っている。
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