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2011 年度 実績報告書

液晶系散逸構造のレオロジーとトポロジカル欠陥

研究課題

研究課題/領域番号 21540393
研究機関大分大学

研究代表者

長屋 智之  大分大学, 工学部, 教授 (00228058)

研究分担者 折原 宏  北海道大学, 工学研究科, 教授 (30177307)
羅 亮皓  北海道大学, 工学研究科, 助教 (00421991)
キーワード液晶 / 散逸構造 / トポロジカル欠陥 / レオロジー / パターン形成
研究概要

負の誘電異方性を持つ液晶(MBBA)に電場を印加すると,ある電圧でロール状の対流が出現し,電圧の増加と共に揺らぎを伴う対流,格子状対流,動的散乱モード1(DSM1),動的散乱モード2(DSM2)へと複雑な乱流に変化する。本研究では,液晶対流の構造観測とレオロジー測定を同時に行い,液晶電気対流の存在および液晶の配向欠陥(disclination:トポロジカル欠陥の一種)と粘性との関連性を解明することを目的とした。
前年度までの研究で,電気対流が誘起される低周波領域では,対流は電圧の増加に伴って激しくなり,粘性が一旦増加してその後減少するという特異な現象が起きることがわかっていた。粘性の増加については,配向場を歪ませるdisclinationが数多く発生する事で説明可能であるが,粘性の減少については説明できない状況であった。また,粘性が最大となる電圧と配向欠陥が大量に出現するDSM1からDSM2への転移との関連性も分からなかった。
本年度,流動下でDSM1からDSM2の転移電圧を観測したところ,転移電圧と粘性最大電圧の関連性は無く,粘性の減少はDSM2領域で起きることがわかった。また,高電圧下で新しい対流が発生することも無かった。さらに,MBBA以外の負の誘電異方性液晶でも同様な液晶電気対流と粘性の関連性があることがわかった。そこで,粘性の減少は配向欠陥や対流構造そのものと関連するのでは無く,マックスウェル応力に相当する力が働いていると予想し,液晶の粘弾性理論に基づいてこの応力の大きさを評価したところ,観測した粘性減少を与える程度の応力であることがわかった。MBBAに正の誘電異方性を混ぜて誘電異方性を変えた試料を作成して粘性を測定したところ,平均の誘電異方性が正になると粘性の減少は観測されなくなった。これは,上記の予測の妥当性を示している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Morphology and rheology of an immiscible polymer blend subjected to a step2011

    • 著者名/発表者名
      H.Orihara, Y.Nishimoto, K.Aida, Y.H.Na, T.Nagaya, S.
    • 雑誌名

      J.Phys. : Condens.Matter

      巻: 23 ページ: 284106-284111

    • DOI

      10.1088/0953-8984/23/28/284106

    • 査読あり
  • [学会発表] 電気対流下のMBBAの粘度特性IV2012

    • 著者名/発表者名
      長屋智之, 丹生幹康, 小野澤晃, 羅亮皓, 折原宏, 奈良重俊
    • 学会等名
      2012年日本物理学会第67回年次大会
    • 発表場所
      関西学院大学上ヶ原キャンパス
    • 年月日
      2012-03-27
  • [学会発表] 電気対流下のMBBAの粘度特性III2011

    • 著者名/発表者名
      長屋智之, 丹生幹康, 小野澤晃, 羅亮皓, 折原宏, 奈良重俊
    • 学会等名
      2011年日本物理学会秋季大会
    • 発表場所
      富山大学五福キャンパス
    • 年月日
      2011-09-23
  • [学会発表] 電気対流下のMBBAの粘性II2011

    • 著者名/発表者名
      丹生幹康, 長屋智之, 羅亮皓, 折原宏, 奈良重俊
    • 学会等名
      2011年日本液晶学会討論会
    • 発表場所
      東京都市大学世田谷キャンパス
    • 年月日
      2011-09-11

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公開日: 2013-06-26  

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