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2009 年度 実績報告書

世界の亜熱帯収束帯の特性と形成のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 21540449
研究機関弘前大学

研究代表者

児玉 安正  弘前大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30205421)

研究分担者 佐藤 尚毅  東京学芸大学, 自然科学系, 講師 (90392935)
二宮 洸三  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 特任上席研究員 (60292950)
川村 隆一  富山大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30303209)
キーワード亜熱帯収束帯 / 梅雨前線帯 / ハドレー循環 / モンスーン / 子午面循環 / 亜熱帯ジェット気流
研究概要

亜熱帯域は,一部を除きハドレー循環の下降域にあたり,乾燥している.また上空にはハドレー循環の高緯度側に形成されるとされる亜熱帯ジェット気流が存在する.しかし,梅雨前線帯を始めとする亜熱帯収束帯が発達する領域では,亜熱帯であっても上昇気流を伴う収束域が存在するため,子午面循環が通常のハドレー循環から変形され,亜熱帯ジェット気流の形成メカニズムも一般の亜熱帯域とは異なることが予想される.
そこで,今年度は,梅雨前線帯について,亜熱帯ジェット気流と子午面循環の関係,及び,子午面循環と亜熱帯ジェット気流の加速機構の関係について調査を行った.子午面循環は風の発散成分と関係するため,水平風の非地衡風成分と鉛直p速度で子午面循環を表現した.その結果,梅雨前線帯は,子午面循環において上昇流域をなしており,ハドレー循環は梅雨前線帯の南側に縮小し,亜熱帯ジェット気流は,梅雨前線帯の北側に形成されていた.このように,梅雨前線帯では,通常の亜熱帯域とは異なる子午面循環が形成されていることが確認できた.
次に亜熱帯ジェット気流の加速機構について調査した.空気塊の加速は水平風の非地衡風成分で説明される.梅雨前線の内部を通過して上昇した空気塊の移動経路と加速度を,流跡線解析の手法により求め,それを非地衡風成分と比較した.その結果,梅雨前線帯の南側では対流圏下層で非地衡的な南風(亜熱帯高気圧から梅雨線帯への吹き込み)による西風加速があり,梅雨前線帯の北側では対流圏上層での非地衡的な南風(梅雨前線帯上部からの吹き出し)による亜熱帯ジェット気流の加速の存在が確認された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Air mass transformation along trajectories of airflow and its relation to the vertical structures of the maritime atmosphere and clouds in Yamase events2009

    • 著者名/発表者名
      Y.-M.Kodama, Y.Tomiya, S.Asano
    • 雑誌名

      Journal of the Meteorological Society of Japan Vol.87

      ページ: 665-685

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Climatology of warm rain and associated latent heating derived from TRMM-PR observations.2009

    • 著者名/発表者名
      Y.-M.Kodama, M.Katsumata, S.Mori, S.Satoh, Y.Hirose, H.Ueda
    • 雑誌名

      Journal of Climate Vol.22

      ページ: 4908-4929

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diurnal and intraseasonal variation of UTLS vertical wind disturbance in the equatorial region and its relation to tropospheric convective activities.2009

    • 著者名/発表者名
      Kozu, T., Y.-M.Kodama, Y.Shibagaki, T.Shimomai, M.Kawashima, S.P.Alexander
    • 雑誌名

      Earth, Planets and Space Vol.61

      ページ: 535-544

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.st.hirosaki-u.ac.jp/~kodama/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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