本研究では、オゾンとその前駆物質である対流圏微量成分の広域的分布を、都市スケール・領域スケール・地球規模スケールとの関連における役割を明確にしながら解析し、それらの動態解明を行う。 初年度である本年度は、衛星からオゾンの広域的分布を、オゾンゾンデ、MOZAIC(飛行機観測)の高度分布観測データから高度分布を解析することで、オゾンの4次元分布の把握に努めた。北半球のジェットの位置とE-TCOベルトの位置、その季節変動を解析し、関連について明らかにした。アジア域におけるモンスーンの風系とオゾン分布との関連を、気象データ(天気図、客観解析データなど)を駆使して解析を行った。 その結果、E-TCOベルトの位置とジェット気流の位置に極めて良い対応があることが見いだされt。しかし、場所によっては必ずしも対応しておらず、地上付近の大気汚染物質によるオゾン発生を示唆する箇所もあった。そこで、連携協力者の永島達也氏の協力を得て、タグ付きトレーサー実験の結果と衛星データの解析結果との比較を行い、結果を検討中である。
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