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2010 年度 実績報告書

衛星観測等の複合利用による対流圏微量成分の広域分布解析の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21540454
研究機関奈良女子大学

研究代表者

林田 佐智子  奈良女子大学, 理学部, 教授 (70180982)

キーワード大気汚染 / 対流圏オゾン / 一酸化炭素 / 二酸化炭素 / 人工衛星
研究概要

対流圏オゾンは第三位の温室効果ガスであるため、全球的動態の解明が望まれている。特に東アジアでは、近年の急速な経済発展に伴い、オゾン前駆物質の放出量が増加しており、この領域でのオゾン変動は世界的に注目を集めている。最近では、様々な人工衛星センサを用いた対流圏オゾン気柱量データの導出が可能になっている。
本研究では、オゾンとその前駆物質である対流圏微量成分の広域的分布を、都市スケール・領域スケール・地球規模スケールとの関連における役割を明確にしながら解析し、それらの動態解明を行うことを目的としている。これまでに、GOME (Global Ozone Mapping Experiment)センサと、オゾンゾンデで観測された東アジアにおける対流圏オゾンデータを1995年から2003年まで解析した。Hayashida et al.[2008]では帯状に高濃度な対流圏オゾン(Enhanced Tropospheric Column Ozone belt : E-TCO belt)が中緯度で観測され、夏に北上し、冬に南下するという季節変動を示すことを明らかにした。
本年度は、OMI (Ozone Mapping Instrument)とMLS (Microwave Limb Sounder)の組み合わせから得られた対流圏オゾン気柱量データを解析に追加し、期間を延長した。特に、衛星で観測された対流圏オゾン(気柱量)の広域的分布を、亜熱帯ジェットの位置と高濃度ベルトの位置、その季節変動との関連に重点をおいて解析した。その結果、亜熱帯ジェット気流と高濃度ベルトの位置には極めて良い対応があることが見いだされた。連携協力者の永島達也氏の協力を得て、タグ付きトレーサー実験の結果と衛星データの解析結果との比較を行った結果、成層圏オゾン流入の影響と共に対流圏起源オゾンの集中する領域が亜熱帯ジェットの位置と近いため、衛星から観測すると両者が重なって見えることがわかった(Nakatani et al.気象集誌(JMSJ)に論文投稿中)。さらにオゾンゾンデ、MOZAIC(飛行機観測)の高度分布観測データから高度分布を解析することで、オゾンの4次元分布の解析を行っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Correlation between subtropical jet and the Enhanced-Tropospheric Columnar Ozone(E-TCO)belt2010

    • 著者名/発表者名
      A.Nakatani, 他
    • 学会等名
      2010 Fall Meeting, AGU
    • 発表場所
      San Francisco, California.
    • 年月日
      20101213-20101217
  • [学会発表] 東アジア付近の対流圏オゾン気柱量に見られる高濃度帯(E-TCO)の成因と季節変動の原因に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      近藤沙綾子、永島達也、大原利眞、須藤健悟、秋元肇、林田佐智子
    • 学会等名
      日本気象学会2010年度秋期大会
    • 発表場所
      京都テルサ
    • 年月日
      20101027-29
  • [学会発表] 衛星で観測された対流圏オゾン気柱量の変動解析-対流圏オゾン高濃度域とジェット気流との関係-2010

    • 著者名/発表者名
      中谷彩、林田佐智子
    • 学会等名
      日本気象学会2010年度秋期大会
    • 発表場所
      京都テルサ
    • 年月日
      20101027-29
  • [学会発表] 東アジア域の対流圏オゾンのMOZAICデータ解析2010

    • 著者名/発表者名
      潮平佳世子、林田佐智子
    • 学会等名
      日本気象学会2010年度秋期大会
    • 発表場所
      京都テルサ
    • 年月日
      20101027-29
  • [学会発表] 東アジア付近の対流圏カラムオゾンに見られる高濃度帯(E-TCO)の成因と季節変化の原因に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      近藤沙綾子、永島達也、大原利眞、須藤健悟、秋元肇、中谷彩、林田佐智子
    • 学会等名
      日本気象学会2010年度春期大会
    • 発表場所
      国立オリンピック記念青少年総合センター
    • 年月日
      20100523-26
  • [備考]

    • URL

      http://www.ics.nara-wu.ac.jp/lab/ozonegroup/index.html

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公開日: 2012-07-19  

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