研究課題
本研究では、オゾンとその前駆物質である対流圏微量成分の広域的分布を、都市スケール・領域スケール・地球規模スケールとの関連における役割を明確にしながら解析し、それらの動態解明を行うことを目指した。まず、衛星で観測された対流圏オゾン(気柱量)の広域的分布を、亜熱帯ジェットの位置と高濃度ベルトの位置、その季節変動との関連を解析した。亜熱帯ジェット気流と高濃度ベルトの位置には極めて良い対応があることが見いだされた。さらにオゾンゾンデの高度分布観測データから高度分布を解析することで、東アジアでは、境界層におけるオゾン発生が活発である緯度帯が亜熱帯ジェットの位置と近く、成層圏からの流入との区別がつかないことが観測結果から明らかになった。連携協力者の永島達也氏の協力を得て、タグ付きトレーサー実験の結果と衛星データの解析結果との比較を行った結果、両者の定量的推定が可能になった。この成果は原著論文(Nakatani et al)として2012年の気象集誌に掲載された。
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Journal of the Meteorological Society of Japan
巻: Vol.90,No.2 ページ: 207-222