• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

高解像度大気海洋結合モデルを用いた熱帯の季節内変動と台風の季節予測に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21540459
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

羅 京佳  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 主任研究員 (70358753)

研究分担者 佐々木 亘  独立行政法人海洋研究開発機構, アプリケーションラボ, ポストドクトラル研究員 (30462500)
キーワード熱帯低気圧 / 高解像度大気海洋結合モデル
研究概要

平成23年度は、高解像度大気海洋結合モデルの長期積分(25年)の結果の解析、および、ハインドキャスト実験による熱帯低気圧の予測可能性について検討を行った。まず、熱帯低気圧の発生に適した環境場が高解像度モデルで適切に再現されているかについて長期積分の結果と再解析データと比較を行った。その結果、海面水温、大気下層の相対渦度、大気の鉛直シア、大気中層の相対湿度は再解析データと同様の空間パターンを持つことが分かった。熱帯大西洋の海面水温の東西勾配のバイアスはやや改善されたが、大西洋東部の海面水温は依然高い。したがって、モデルの水平解像度を高くすることによって熱帯大西洋の海面水温バイアスはある程度解消されるが、さらに物理スキームの改善等の必要性が示唆された。次に高解像度結合モデルで発生した熱帯低気圧を抽出し、その発生頻度の時空間パターンと強度について観測値および低解像度結合モデルの結果と比較を行った。低解像度モデルは熱帯低気圧の発生頻度を特に北半球で過小評価する傾向が見られたが、高解像度モデルでは観測値に近い発生頻度が得られた。北インド洋ではモンスーン期の前後で熱帯低気圧が発生する傾向があるが、高解像度モデルはこの傾向を再現することができた。一方、西部北太平洋の熱帯低気圧発生頻度はピークシーズンでやや過小評価であった。次にハインドキャスト実験の結果を解析した。計算機資源の制約により、2004年の1年間についてモデルの海面水温を観測の海面水温に近づけながら積分を行った。2004年は西太平洋において32個の熱帯低気圧が発生したが、ハインドキャスト実験では29個の熱帯低気圧が発生した。モデルは観測に比較してやや過小評価の傾向があることを考慮するとモデルはよく再現していると言える。この結果は熱帯低気圧の季節予測に関して、発生頻度の予測が期待できることを示唆している。しかしながら、モデル熱帯低気圧発生位置は観測よりも北でずれる傾向が見られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Impact of Global Ocean Surface Warming on Seasonal-to-Interannual Climate Prediction2011

    • 著者名/発表者名
      羅京佳
    • 学会等名
      IUGG2011
    • 発表場所
      Melbourne Convention & Exhibition Centre,メルボルン
    • 年月日
      2011-07-01
  • [学会発表] Seasonal forecasting and SINTEX-F2011

    • 著者名/発表者名
      佐々木亘
    • 学会等名
      Second In-Region Capacity Building Workshop of the WMO/IOC Data Buoy Cooperation Panel (DBCP) and Partners
    • 発表場所
      La Plantation Hotel,モーリシャス
    • 年月日
      2011-05-06
  • [図書] Cyclones : Formation, Triggers and Control2012

    • 著者名/発表者名
      Wataru Sasaki
    • 総ページ数
      33
    • 出版者
      Nova Science Publishers(査読有)

URL: 

公開日: 2013-06-26   更新日: 2019-04-08  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi