研究課題
2012年7月のマウナケアIRTFにおける観測データのうち、酸素同位体異常に関してはδ17Oとδ18Oの同時定量に成功し、金星におけるδ17Oのδ18Oに対するプロットが地球・月システムのそれと誤差範囲で一致することを世界で始めて示した。このことは原始太陽系雲中での物質輸送・攪拌に関し重要な意味を持つと思われる。この件は2013年6月のイタリア・カターニャにける国際金星会議で発表し、さらに雑誌投稿した結果2014年10月に受理された。院生の高木聖子をブラッセルに派遣して収集した欧州VEX衛星SOIRセンサの金星上部もや層データからは「高度90km以上でもや混合比が増えている」という新発見があり、これを軸として高木は2014年3月に学位を得た。この高高度もや増大は一見不自然だが、SO・SO2混合比にも類似現象が指摘されており、金星大気化学において現在解決すべき最重要問題を提起していることになる。2014年5月にはマウナケアIRTFにおいて60km波動をねらって10日間の観測を行い、1.7μmのデータを取得した。当初予定していた欧州VEX衛星VMCセンサ(紫外よる70km情報)との同時観測がキャンセルされてしまったため、自前で70km情報を得るべく5μm分光撮像を行った。多高度間での大気波動の伝播をねらった観測は少ないため、両情報を合わせることにより大気超回転駆動機構に新たな方法で迫れると期待される。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Icarus
巻: 248 ページ: 213-220
doi:10.1016/j.icarus.2014.10.030
Planetary and Space Science
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
doi:10.1016/j.pss.2014.10.004
Acta Astronautica
巻: 93 ページ: 384-389
doi:10.1016/j.actaastro.2013.07.027