研究課題/領域番号 |
21540465
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
松岡 彩子 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙プラズマ研究系, 准教授 (80270437)
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研究分担者 |
高田 拓 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙プラズマ研究系, プロジェクト研究員 (80455469)
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キーワード | プラズマシート / 磁気圏 / アルフベン波 / イオンサイクロトロン不安定 |
研究概要 |
プラズマシートがどのようなプロセスで加熱されているのかは、磁気圏物理学における大きな課題である。Geotail衛星の電場・磁場およびプラズマ粒子データを用い、プラズマシート内で観測される大振幅の非圧縮電磁流体波動である、アルフベン波の解析を行った。その結果、地球磁気圏尾部において、多くの大振幅アルフベン波イベントが発見された。更に、プラズマの分布関数等との比較研究により、大きなエネルギーを運んでいるアルフベン波はイオンビームのサイクロトロン不安定によって立てられており、イオンビームの減衰と共にアルフベン波も減衰するらしいことがわかった。リコネクションによって生じたイオンビームのエネルギーが、アルフベン波のエネルギーとなり、それがプラズマシートの加熱に寄与していることが示唆された。アルフベン波の運ぶポインティングフラックスの出現頻度を、プラズマの特徴によって分類して解析した。大きなポインティングフラックスを持つアルフベン波は、イオンビーム等の特徴的な粒子構造に伴って現れることがわかった。これらの粒子構造の領域の頻度分布にエネルギーの期待値を乗ずることにより、磁気圏の構造に対して、アルフベン波がどのようなエネルギー分布を持つのか、統計的に求めることが出来る。粒子構造の領域の頻度分布は、太陽風の状況(速度、密度、惑星間空間磁場等)に依存して変化するので、アルフベン波が運ぶエネルギーの、太陽風の状況に対する依存も明らかになる。
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