研究概要 |
鯖江断層は地形的特徴等から推定されてきた,鯖武盆地中央部を南北に縦断する長さ18km,西側隆起の活断層である.断層周辺は,鯖江台地の形成年代等からA級の活動度が示唆されるにもかかわらず,マグニチュード1程度の微小な地震すら発生していない直径約20kmの地震活動の空白域となっており,地震活動の上からも注目されてきた. 鯖江断層は地形的な特徴からすると,鯖江台地東縁部とその前面の小段差付近の2本に枝分かれしている可能性が高い.これまで台地東縁部で2ヶ所のトレンチ調査を行い,断層の存在を確認するとともに最新の活動がBC2100~AD1400であることを明らかにしてきた. 最新の活動時期についは,地形的特徴から台地東縁部の前面に連なる小段差として現れている可能性が高い.そこで鯖江市長泉寺2丁目において,鯖江台地東縁前面の小段差を横切るように2列の群列ボーリングを行い,断層変位を確認するとともに,BC2400~BC1800年において,垂直変位量1.0~1.5mの西側隆起の活動があったことを明らかとした.さらにAD500以降においても西側隆起の活動があった可能性が示唆された. そこで本年度においては,最新活動時期をより明確にするために,この地点において,追加のボーリング調査を行った。追加ボーリングは断層の沈降側において3本行い,断層位置を明確にすることができた.また最新の活動時期については,2列の群列ボーリングとも,AD500年前後の層準が0.5~0.7m程,西側隆起の変位を示しており,AD500年以降,最新の活動があった可能性が高いことが明らかとなった.
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