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2011 年度 実績報告書

年縞堆積物に挟在される重力流の流動・堆積モデルと規制要因の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21540476
研究機関福岡大学

研究代表者

石原 与四郎  福岡大学, 理学部, 助教 (80368985)

研究分担者 成瀬 元  千葉大学, 理学部, 准教授 (40362438)
齋藤 めぐみ  国立科学博物館, 地学, 研究員 (40455423)
キーワード重力流堆積物 / 湖成層 / 珪藻群集解析 / 洪水流堆積物 / 逆解析 / 重力流モデル / 年縞 / 崩壊堆積物
研究概要

本年度は,(1)湖成重力流堆積物の層厚特性,(2)重力流堆積物と基底侵食構造,(3)珪藻化石の群集組成解析,(4)重力流堆積物の逆解析手法の基礎研究を行った.
(1)では,洪水流と崩壊起源の堆積物の層厚頻度分布が,前者がべき乗則分布に後者が対数正規分布に近似できることを明らかにした.イベント堆積物の規模を考察する上での基礎的な情報となる.(2)では,重力流堆積物の基底侵食構造が形成した流れの種類によって異なることを明らかにした.(3)では,連続試料の珪藻化石群集組成が4つに分けられることを明らかにした.下位より,(1)Puncticulata属が優占,(2)Stephanodiscus属のみが優占,(3)一部Discostella属が多く底生珪藻が多産,(4)Stephanodiscus属とCyclostephanos属が共存する層準である.全層準で認められるStephanodiscus属の殻サイズは他の珪藻種が多産する時に大きくなり,単独で優占するときに小さくなる傾向が明らかになった.このような珪藻群集組成や殻サイズの変化には洪水起源の重力流堆積物が影響している可能性が示唆される.つまり,古蒜山原湖における珪藻群集の遷移には洪水の影響が重要であったことが指摘される.(4)では,湖成タービダイトから古水理条件を読み取るため,数値計算に基づくタービダイト逆解析の基礎研究を行った.湖底の状況を踏まえ,常流の混濁流に関する逆解析を検討した結果,射流の場合に比べて数値発散を抑えることが逆解析の大きな課題であることが明らかになった.同様に細粒堆積物を取り扱う際には,堆積物連行関数の精度も問題となる.これらの課題の解決策として,数値発散を防ぐためにリチャードソン数を固定するように計算初期値を選択するグリッドを開発した.また,泥質堆積物の連行関数について文献調査を行い,従来のものよりも適切な関数をモデルに組み込んだ.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] 溶食痕の形成実験:流速と持続時間による形態と分布パターンの変化2011

    • 著者名/発表者名
      弓真由子・石原与四郎
    • 雑誌名

      洞窟学雑誌

      巻: vol.36 ページ: 61-73

    • 査読あり
  • [学会発表] 過去2000万年間の珪藻をとりまく湖沼環境の変化2012

    • 著者名/発表者名
      齋藤めぐみ
    • 学会等名
      日本プランクトン学会春季シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学海洋研究所
    • 年月日
      2012-03-30
  • [学会発表] 岡山県蒜山原層に認められた淡水浮遊性珪藻の殻サイズの変化2012

    • 著者名/発表者名
      齋藤めぐみ・林辰弥・石原与四郎・成瀬元
    • 学会等名
      微古生物学リファレンスセンター研究集会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2012-03-03
  • [学会発表] 軟X線デジタル画像を用いた侵食形態の数値化と特徴化2011

    • 著者名/発表者名
      弓真由子・石原与四郎・小松原純子
    • 学会等名
      日本堆積学会長崎大会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2011-12-24
  • [学会発表] 洪水流および崩壊起源重力流堆積物の層厚頻度分布の特徴:湖成蒜山原層の例2011

    • 著者名/発表者名
      石原与四郎・佐々木泰典・弓真由子・成瀬元・斎藤めぐみ・林辰弥
    • 学会等名
      日本堆積学会長崎大会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2011-12-23
  • [学会発表] Spatio-temporal changes in distributional pattern of erosional marks on solutional substrate2011

    • 著者名/発表者名
      Mayuko YUMI, Yoshiro ISHIHAEA
    • 学会等名
      Plaetary Geology Field Symposium
    • 発表場所
      北九州国際会議センター
    • 年月日
      2011-11-05
  • [学会発表] フルート-スカラップ移行形態の洞窟内における分布2011

    • 著者名/発表者名
      弓真由子・石原与四郎
    • 学会等名
      日本洞窟学会第37回大会(福岡大会)
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2011-10-15
  • [学会発表] 年稿堆積物に挟在される崩壊および洪水起源の重力流堆積物の堆積過程:岡山県更新統湖成蒜山原層の例2011

    • 著者名/発表者名
      佐々木泰典・弓真由子・瀧井喜和子・斎藤めぐみ・成瀬元・石原与四郎
    • 学会等名
      日本地質学会118年学術大会
    • 発表場所
      茨城大学
    • 年月日
      2011-09-10
  • [学会発表] 重力流堆積物基底の侵食形態の特徴:宮崎県日南層群の例2011

    • 著者名/発表者名
      弓真由子・石原与四郎
    • 学会等名
      日本地質学会118年学術大会
    • 発表場所
      茨城大学
    • 年月日
      2011-09-10
  • [学会発表] 石膏板に形成される溶食形態-とくに摩擦速度と通水時間で変化する特徴2011

    • 著者名/発表者名
      弓真由子・石原与四郎
    • 学会等名
      地球惑星科学連合2011年大会
    • 発表場所
      千葉・幕張国際会議場
    • 年月日
      2011-05-24

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公開日: 2013-06-26  

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